羽ばたいて

先日拝見した万華鏡作家の中里保子さん(63歳)ですが、

元々はスポーツウエアのデザイナーだった20代の頃、お母

の介護をしならお仕事をされ、万華鏡作りを本格的に始

められたのは40代からだそうですが、手に入れた教本のみ

で、あとは独学で勉強したにも関わらず、万華鏡の世界大会

で4度世界1位に輝き、正に「為せば成る」を実現された方

す。

 

世界大会では、審査員がおらず、出展した方で選ぶという大変ユニークな審査法ですが、世界の万華鏡作家が認める実力でもあり、ご自分で作られたガラス細工を入れて作るというのが中里さんの特徴で、ガラスを入れることで、とても綺麗になるそうです。

 

万華鏡の世界では、壁となる部分は触らないという常識を破るなど独創的で、今みた図柄は、なんと46億年以上かかるという世界だそうです。

 

寝たきりとなったお母様が、10年前にお亡くなりになられてからは、介護なさっていた時間もすべて万華鏡への時間と変わり、365日お休み無しでなさっているそうで、3年前より教室やギャラリーなどもされているそうです。

 

元デザイナーとあって、作品は何れも芸術性が高く、まるでインテリアのように素敵です。

 

万華鏡作りをとても喜んでいたお母様ですが、「すべて母が仕組んだ事のようで、今も母に操られているような気がします」とおっしゃっていた言葉がとても印象的でした。

 

年齢に囚われず、やりたいことへ邁進し、万華鏡のお話をされている時のその輝きは、いつまでも心に残るものとなりました。